伊地知の姿を見ると、
「マスター、アッキーは!?」

京極は声をかけた。

「アッキーですか?

たった今、用事があるから行けないと言うメールがアッキーの方からきまして」

伊地知が答えた瞬間、彼らの顔が青くなった。

「あの、どうかされましたか?」

戸惑いながら聞いてきた伊地知に、
「マスター、大変なんだ…」

北大路は事情を説明した。

「ええっ!?

では、『平和興業』が渦中にあるのは…!?」

驚きのあまり聞き返してきた伊地知に、
「ああ、全てアッキーの策略だよ」

藤本は答えた。

「つまり、アッキーは実の父親の会社を潰しにかかっていると…」

「話的にはそうなる。

だから、何としてでもいいからアッキーを止めないと…」

藤本の呟きに、この場に重苦しい空気が流れた。