「当たり前じゃない」

櫻子はバカにするように笑った。

「この大手企業を潰すことに成功すれば、今度は一生遊んで暮らせるだけの大金が入ってくるのよ?

こんなチャンスを生かさないでどうする?

証拠だってもう出そろっているんだ」

櫻子は調査報告書をヒラヒラと弄んだ。

「ヒヒッ、これは忙しくなりそうですなあ。

檍さんが言うと、全てうまく行きそうな気がします」

唐澤はニヤニヤと黄ばんだ歯を見せながら笑った。

「来週から行動を開始する。

外堀をジワジワと崩して、それから精神的に追い込んで、徹底的にたたき潰すよ」

櫻子の出した指示に、
「はいよ」
と、久仁城が返事をした。

「ヒヒッ、楽しいショーの始まりだ」

唐澤はニヤニヤと笑った。