「先に寝てていいよ。

風呂に入ってくるから」

英恵にそう声をかけると、バスタオルと着替えを持ってバスルームへと足を向かわせた。

湯船に浸かると、京極は息を吐いた。

「自分の家だっつーのに、何で緊張してんだよ…」

姉を含める女が自分の家に泊まりにくることはしょっちゅうなのに、自分は何を思って気を使っているのだろう?

「初めてじゃないのにな…」

京極は呟くと、ブクブクとワニの目線になって湯船に顔を沈めた。

(雰囲気が若菜に似てるからか?

んな訳ねーよな、ハナちゃんの方が年上なのに)

心のどこかで若菜と英恵を重ねている自分に、京極はバカバカしいと首を横に振った。