『水曜日によろしかったら映画に行きませんか?

返事待ってます』

藤本からそんなメールが届いた。

「水曜日か…」

その日は特に予定は入っていない。

息抜き程度につきあってやるかと思いながら、櫻子は藤本にメールを送信した。

『いいですよ』

メールが送信されたことを確認すると、
「さて…」

櫻子は準備に取りかかった。

先日、父親に会社を潰すと宣言した。

「今の今まであたしのことを見捨ててたくせに、今さら父親ヅラして押しかけてきても迷惑なのよ」

櫻子は怒りをぶつけるように、カチカチとキーボードをたたいた。