「あたしが引きこもりになった時だってそうよ。

あんたたちは何にもしてくれなかった。

あたしを見捨てた。

なのに、自分の息子の人生がめちゃくちゃになったその時に父親ヅラして文句を言ってくるってどう言うことなの?

頭がおかしいにも程があるんじゃない?

全てはあんたたちの自業自得じゃん」

そこまで言い終えると、櫻子はフンと鼻で笑った。

「決めた」

そう言った櫻子に男は何がとでも言うように首を傾げた。

「あんたの会社潰すから」

櫻子が宣言したとたん、男の顔から血の気が引いた。

「つ、潰すって…」

今にもすがりつきそうな男に、
「自業自得じゃん」

櫻子は一蹴すると、その場から立ち去った。