【短編】ボタンと珈琲




「…あ、お客様。少し失礼致します」


そんな台詞が聞こえて


「……え、」


さらり、と胸下で巻いた髪をうなじのあたりで触られる感触がして


「ボタン、掛け違えてますよ」


ワンピースの背中にあった、三つのボタンをとめ直された。


ーーーこの瞬間、わたしは恋に堕ちた。