その言葉に彼が驚いた顔をしているのを見て、ハッと気づく。 何言ってるんだわたし! 我に返ってとても恥ずかしくなって思わず視線を落とした。 だけど彼は、すぐに笑って 「ああ、覚えていますよ!ボタン、かけ間違ってたんですよね」 と、告げる。 やっぱり優しい人だな、と顔を上げた瞬間だった。 「ーー…」 彼が一歩、近付いて。 「今日は掛け違えてませんか?」 わたしの髪をそっとはらって、背中のボタンに触れた。