【短編】ボタンと珈琲




「……?」



不思議そうにわたしを見つめる彼と女の子。


その時、彼の表情がパッと明るくなって



「そのワンピース!僕が売りましたよね!」


「……! そう…っ」



笑顔でそんなこと言われたもんだから、わたしはもう嬉しくて恥ずかしくて照れ臭くて、ただただ大きく頷いていた。



わたしのこと、覚えていてくれた。


1ヶ月ぶり二度目の彼は、白シャツからニットに衣替えをしていて、ボトムは細身のチノパン。



わたしの様子を見て何かを察してくれたのか、女の子はするりと輪を抜けて二人にしてくれた。