店を出ると、もう街が夕焼けに染まっていた。 並木道はイチョウの葉が絨毯のように広がっていた。 時間が止まっているような店だったなあ、とマスターのことを思い出しながら足を進める。 迷うことなく向かうのは 「いらっしゃいませ」 ワンピースを買った、あのお店。 彼がいなくても、ファーティペットの女の子に彼がいつ来るのかちゃんと聞こう。 寒くなる前に、ワンピースのお礼を言って、彼のことを知ろう。