親父はまたどうせ同僚とハシゴしてる。
そんな気がする。
母さんもわかってるから、いつも一人でも強く生きてる。帰ってくるのが遅くても。
母さんは絶対に忘れない。
水を飲めるようにグラスを置いて寝ている。
“おかえりなさい”
その一言の置手紙。
酔って帰って来た親父は、いつも我に帰る。
それでも会社勤めで、疲れた親父は飲み歩く。
結局母さんを毎日苦しめ続けているんだ。
俺はそんな親父の背中を見て生きてきた。
この十数年間、俺はそんな親父が嫌いだった。
「母さん、俺もう寝るよ」
「そう。おやすみなさい」
「…おやすみ」


