「ただいま」 「雅人、遅かったじゃないの。」 「ああ、うん。」 母さんには、彼女がいることなんて言ってなかった。 初めての彼女だ、なんて恥ずかしかった。 もしも沙紀と同棲生活を始めるそのときがあれば、そのときにゆっくり話そう。 そう決めていたんだ。 「誰とお祭り行ったの?」 「友達と、な」 嘘をついた。勇気なんてない。 彼女と行った、なんて言えない。 「アンタも早く彼女のひとり作りなさいよ」 「…ああうん」