「雅人くん~!!ねえ何してるの?はやくこっちにおいでよ!」



俺は呆然とそこにいた。
由希乃の声に耳も傾けずに。



「…沙紀」



「えっ、知ってるの?沙紀のこと」



沙紀は唖然としていた。
偶然の、この突然の出来事に驚きを隠せていないようだった。



「いや、まぁ。」



「えっ、えっどういう関係っ?」



由希乃が少し苦笑いしている。
きっと何かを疑っている。

そういうわけじゃない。
由希乃の思っているような関係ではない。

黒い、黒い関係。