本当に楽しかった。
だからこそ、由希乃に心魅かれた。
由希乃とのメールのやり取りは楽しかった。
沙紀みたいに重い人間じゃない。
軽すぎるわけでもない。
ただ、心の底から笑ってくれる。
素直で優しい天然な子だった。
本当に天然な子だった。
感情も豊かで、すぐ泣いたり笑ったり。
真面目にしてることもあるらしく、頭も悪くないらしかった。
そんなメールのやり取りの中、俺は決断をした。
一度でいい。
一度でいいから、二人きりで会って話したい。
そう思って、なんとか返事をもらった。
最初は由希乃も、“でもなぁ…”と言っていたが、何度もアタックした。
そして俺たちは会えることになったのだ。
そうして、初めて会うことになったあの春の日。
俺たちは近所のカフェで何時間も食べ、何時間も語った。
距離はどんどん縮んだ。
何度も触れ合いそうになった。
それでも由希乃は案外警戒心が強いらしかった。
でも俺だってかなり警戒心は強い。
元カノのこともあって。


