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身支度して、お父さんを見送って、ふたりきりの空間。
それも長くは続かず、すぐに約束の時間が来た。
私は緊張をほぐすため、昼番組を見たが、集中できなかった。
結局、10時ぴったりに沙紀ちゃんがきた。
「別れてほしい」
雅人が切り出した。
いきなりのことだった。
どうして?とかなんで?とか、愛してるんでしょ?とか。
沙紀ちゃんは束縛が激しい。
私も危険な子だと思った。
絶対にこんな子は許せない。
そう思った。
顔に出ていたかもしれない。
お父さんがいたら。
もしこの場にお父さんがいたら。
お父さんはなんて言っていただろうか?
“愛してくれてるんだからいいじゃないか”
そう言って、雅人を説得させるのか。
“もう雅人とは会わないでくれないか”
そう言って、沙紀ちゃんを説得させるのか。


