沙紀を家まで送ることにした。
「ごめん…私何考えてるんだろ?」
「…知るかよ。もう一回同じことしたら俺は別れるから」
大胆なことを言った。
…いや、俺は今最低なことを言った。
あの頃の大切な彼女じゃなくなった。
もう捨てたいとしか思えない愛せない彼女になっていた。
「もう、しないよ…ねえ」
君の“ねえ”は聞き飽きた。
この続き、俺は知ってる。
「…ねえ私のことアイシテル?」
「…」
「ねえ、雅人っ…アイシテル?」
「愛してるって。」
沙紀が微笑んだ。そんな気がした。
背中に冷や汗が流れた。俺はこの先どうなるんだろうか、と。
