「ねえそんなにスイカ食べないでよ」 「はぁなんで?」 俺はスイカを黙々と食べているところを邪魔された気分になった。 「…私のぶんも、いる」 「お前に買った憶えないんだけど」 「…欲しい」 いつかの祭りで、こんなふうにねだられたことを思い出した。 あの頃の沙紀は、可愛かった。 でも今の沙紀は別人だ。 いや、これが本性だったのかもしれない。 俺は、食べ続けた。 結局沙紀は、ただの嫉妬女。 スイカが欲しいんじゃない。俺の愛が欲しかっただけ。 寂しがりなんだよなぁ。