本当に全てが綺麗だと思った。


中性的な綺麗な顔。


真っ黒で吸い込まれそうな瞳。


キリッとあがった眉。


そして、水が滴る漆黒の髪。


......ん?水が滴る...?


『きゃあー!!!タタタ、タオル!!!!風邪ひいちゃう!!!』


下の階の人から苦情が来るかも...なんて気にせずに走ってタオルを取りに行った。


『気付かなくてごめんね?』


タオルを持ってきて時雨くんの綺麗な髪をわしゃわしゃと拭いてあげた。


こんな寒いのに雨にあたってたなんて風邪ひいちゃう!!


「...いいよ。別に。」


『シャワー浴びておいで?服は用意しとくから!』


「アンタが先に入りなよ。」


『いいから!早く行く!!』


あたしを先にと言ってくれる時雨くんを引っ張って風呂場に押し込んだ。