✱✱✱ 雫side


「シグ...って呼んで??」


もしかして、夢の中で聞こえてたのかなあ...。


なんて考えると胸があったかくなった。


『...シグ』


「なに??」


『シグって呼ぶのあたしだけ??』


「そうだけど?」


そっか、そっか...。


あたしだけか。


「なに、ニヤニヤしてるの?」


『別にニヤニヤしてないもーーーんっ!』


いや、してるでしょ。なんて声は聞こえません。