『時雨くん、あたし電話してくるから待ってて?』


「...どこにも行かない?」


もちろんですとも。


『うん!30秒で帰ってくる。』


わかったと頷く時雨くん。


熱でると、甘えん坊になっちゃうんだね。


うあー、可愛い可愛い可愛い。...あとで写真撮っちゃお。


一旦寝室を出てリビングに行き、電話帳を開く。


ある人物の名前を見つけると迷わず発信ボタンを押した。



プルルルル、、プルルルル、、プルルガチャッ!


「はい、もしも...」


『あ、もしもし隼人(ハヤト)?今すぐ!至急!!早く!風邪グッズ買ってうちに持ってきて!あと、男物のスウェットと下着を何着かよろしく!』


ブツッ!


よし、あとは待つだけ!


雫は時雨くんパワーで30秒もかからなかったのである。