「...雫」


『なぁに?』


呼んでみると嬉しそうに耳を少し赤くして微笑んだ。


ブオォーーー。


サラサラで傷んでない綺麗な髪。


シャンプーの匂いが充満して嫌いじゃないって思った。


少し時間はかかったけど乾かすのは楽しかった。


ドライヤーを切るとそれを片付けた雫が俺に言った。


『明日、土曜日だから時雨くんのいるもの買いにいこっか?』


「...うん。でも、俺金持ってないよ?」


『ふふっ、あたしが時雨くん拾ったんだもん。あたしがお世話するよ。』


ふわりと笑ってそう返してくれた。