「はーい」
部屋から唯の声がしたことを確認して、俺はドアを開けた。
部屋には私服の唯が雑誌を読んでいた。

「いらっしゃいましー」
「…誰だよ。」
「唯ですー」
「お前、時々キャラ変だよな」
俺はドアを閉め、座布団に座った。
唯はたまに、机に置いてあるジュースを飲みながら、雑誌を読んでいる。

「あのさ―普通俺のジュースも持って来るよね? 」
「え、何それ。飲みたきゃ自分で持って来い! 」
「ウッセーな…。」
「はいはい。嘘ですよー。持って来てあげるからいい子で待ってなさ~い」
「っ…俺は何歳だよ!! 」
溜め息を吐いて、ふと唯が見ていた雑誌が目に入った。

俺が見たそのページには、3人のモデルらしき女が写っている。



 ――「え……? 」
3人の内の真ん中にいる女に、見覚えがある気がする。
こいつって、確か…





 「―――七瀬? 」