くつ下のあな。


「どうしよう、完全に迷った」


入学二日目からいきなりピンチ。

昨日は送ってもらったからよかったけど...


「あれ?同じ学校の人?こんな時間にここにいたら遅刻するよ?」

いかにも運動部っぽい同じ制服の人。


「あの、実は学校の行き方が分からなくて...」

「そうだったんだ、じゃあ一緒にいこう」

「ありがとうございます」

「通学で迷う人初めて見たよ」

「ですよね...自分でも方向音痴直さなきゃって思ってるんですけど」

「そっか、あとさ敬語使わなくていいよ。俺も一年だから」


大人っぽくて落ち着きがある雰囲気から私は先輩だと思っていた。


「そうなんだ!よろしくね」

「よろしく、俺は一組の広瀬海斗」

「私は青木彩葉、二組だよ」


当然私たちは遅刻した。

放課後は罰として反省文だなんてついてない。


「彩葉なんで遅刻したの?」

「道に迷っちゃって...」

「ホント相変わらずだね」

「じゃあ先生に呼び出されてるからいってくる」


重い足取りで職員室の隣の空き教室に行った。


「あ、青木ー」

「広瀬くんも反省文か」

「朝やっぱ走ればよかったね」



何気ないことを話しているうちに反省文も書き終えた。職員室に向かっていると


「海斗が呼び出しなんて珍しいね」