ありがとうの涙

優斗は、私をしばらく抱きしめてくれた。

そして、二人で手を繋いで、走り出した。

「階段の下の倉庫は?」

私が提案すると、優斗はうなずいた。


「そこがいいな」

と。

「何階がいいかな?」

「あの、一番わかりにくい、最上階の、一番すみっこにある階段!」

「そうだね!」

私達は、また走り出した。

あそこなら、きっと見つからない。

階段を駆け上がり、私達はすみっこの所にたどり着いた。

息を切らし、倉庫の奥に座り込む。