「それ、どうゆう質問?」
「そのままだよ。練習の時、何考えてるのかなって」
「んーコンクールとかの練習は自分の音を響かせることかなぁ」
気持ちが大事なんだよね。
なんて言って夢野は笑ってる。
「じゃあさ、野球応援の時は?」
「はぁ?」
「やっぱさ、夏野のこと考えてる?」
夢野は少し不思議そうな顔をした後、あきれたような顔をした。
「うーん。少し?夏野くんもそうだし、他の人も。練習の成果がでますように。って。
勝てますように。って。
そればっかかなぁ。」
「そうなんだ・・・・」
夢野は苦笑いすると、それに。と続けた。
「スポーツは全部だと思うけど、頑張れば結果がでるわけじゃない。頑張ったって、勝者がいれば敗者もいる。
負けたときのことを考えるのは好きじゃないけど、お疲れ様って、みんなの頑張りは知ってるよ。だから、次も頑張れって。
心の中で祈ってる。」
・・・夢野は優しい。
凄く優しい。
だから、夢野が夏野を好きでも、好きだからこそ。
応援しよう。
上手くいきますようにって。
きっと2人に幸せな未来が待ってますように…って。