季節は冬真っ只中。

街はすっかりクリスマスムードで、至る所のイルミネーションが施されている。



『クリスマス』
といえば

『カップル』
というキーワードがついてくるわけで、
街中のバカップル達はクリスマスムードに呑まれ、あっちでもそっちでもイチャイチャ。



そして。


「藍、クリスマスどこ行きたい?」

「んーどこでも
寒くないところなら」

「それは俺と一日中家でイチャイチャしたいってこと!?
藍ってばちょー大胆!

まぁ、でも俺は行きたい所があって…」


ここも、例外ではない。


最早、どっちが女でどっちが男か分からないセリフ



「あー!いいよなぁ、お前らは。模試の結果A判定ばっかとりやがってさ!俺らはこの冬が勝負だってのに」


なぁ、宮本!


机に突っ伏しながら顔だけをこちらに向けて同意を求めてくる東城くん(=天敵のお友達)を一介してツン、とそっぽを向く


「私は今だにC判定しかとれていない東城くんほど頭悪くないから」

「傷をえぐるなぁぁっ!
…つーか秋田、なんか冷たくね?」

「生憎、藍以外の人間と関わりを持つと激しい吐き気に襲われるもので。」

「人見知りっつーレベルじゃねーぞ。
それ!」


こんな茶番をしている間にも、藍とアイツのクリスマス計画は着々と進んでいる


ちくしょうっ!
何か止める方法は………


大体、彼氏の分際でクリスマスを一緒に過ごそうなんて事自体厚かましいのよ!


こうなったら……


「藍、私トイレ行ってくるね」

「んー」

「あの、秋田サン?
ここ一応俺の家…」

「昴くん、ちっちゃい事は気にすんなーそれワ」

「藍。そんな奴に話しかけんな。
……そいつに話しかけると激しい吐き気に襲われるみたいだからな。」

「聞こえてますけど‼︎?
小声で言ってもバッチリ聞こえてますけどねっっ‼︎?
一体…俺の存在価値って、なんなのかなぁ?(泣)」



…アイツの手を借りるしかない。