智「あの夏美月ちゃんがはぐれてたの見て、声かけた。同い年くらいなのにこいつバカだな〜って。けど話してくと面白い奴で…でも友達待たせてたし、だから名前だけ教えたろ?…それで円下通りでスカウトされて…テレビに出て有名になれば美月ちゃん気付いてくれるかもって。でも今日直接出会えた」






『あ、…そうだったんだね』




智「俺…さ、あの夏の事忘れられなくて、毎年夏祭り行ったら探しちゃって。時間経って相手は忘れてるかも知れないのにな」




そう言って智くんは苦笑いした。…私も忘れたこと無いよ、忘れられないよ。




『わ、私も忘れたことないよ?勉強で1位になってたことも、もしかしたらこの学校に智くんが居るかもしれないと思ったから…』




智「めっちゃ嬉しい…」





そう言って智くんは手で顔を隠したけど、耳が赤くなっていた。





『もしかして…照れてる?』




智「う、うるさいな…!美月ちゃんも俺の事考えてくれてたのが嬉しいとか思ってないしな!」





…分かり易いな、嬉しいんじゃん。私だってまた出会えて嬉しいもん。






智「あの夏、美月ちゃんと出会ってから毎日楽しかった。今考えたらあの時助けてなかったら、こんな気持ちにもなれなかっただろうし、美月ちゃんにも出会えてなかったと思うから良かったって思ってる。」






『私も…あの時助けてくれなかったら、智くんに出会えてなかったしこんなピンクの世界を知らなかったと思う…ありがと。今考えたらね?…初恋だったと思うの』





サラッと言ったけど、恥ずかしくなって顔を俯かせると…





智「…ずりぃ、俺だって初恋だったと思ってる。今でも引きずってるんだけど…ずっとあの夏から見てきた女は美月ちゃんだけ。だから…付き合えよ、俺だけを見てろ」





『智くんだってずるいよ…私だけなんて…こんな私でよかったら付き合ってください!』





智「…ふはっ。今日からお前は俺のもん、美月大好きだ」






『もうっ笑わないでよ…智くん大好き』





智「智、だろ?」





『んもう…!さ、…とし…//』





智「その調子だ」





そう言ってギューと抱きついてきたので、私も強く強く抱きしめた………