溺れるくらいの愛情を。





街中を少し歩き回ってから帰宅した。
リビングでは既に私以外の家族全員が食事をしていた。




「……ただいま。」



母「萌乃(もえの)、これも食べる?」



萌「はーい。
お母さんのご飯はいつもおいしいよね。
萌乃もお母さんみたいに料理上手になりたいなー。」



父「お母さんに教えてもらえばいいじゃないか。」



萌「うん‼また教えてね‼」



母「ふふ。一緒に作りましょうね。」




私のことを無視して三人で食事を続ける。
まぁいつもの事だから慣れてるけど。どうでもいいし、別に。

そっとその場を去り、部屋に戻る。そしてベッドにダイブした。




一応私は母親、双子の姉、そして戸籍上の父親の4人家族だ。
両親共に生粋の日本人。…それなのに私はハーフ。
その理由は簡単なんだけどね。


母親が浮気してできた子供が私。
そして両親の間にできた子供が姉の萌乃。


私と萌乃は双子の姉妹。
母親がたまたま多排卵の時期にほかの男性とも関係を持った結果、半分半分の血を受け継いだという事だ。




……世界でもこういったケースは全くないというわけではない。
まれにこういったことが起こるらしい。