二か月程前
私は直久に呼び出しされた。
当時は名字で呼び合うような仲で、クラスメイトの一人って感じの関係だった。
告白シーンでよくある放課後の教室に、仕事が偶然休みだったので残っていた。
直「平井さん、残ってくれてありがとう。」
「調度休みだったから。
それでどうしたの?」
直「あぁ…まぁなんとなく分かってるかもしんねぇけどさ、平井さんのこと好きなんだよね。
俺と付き合ってくれない?」
私に近づいてくる男なんてたくさんいた。
ナルシストみたいな発言になるけど、見た目良くて周りの受けもよくて、彼女にすれば自慢できる私を傍に置いておきたいという魂胆が見え見えの人ばかり近寄ってきた。
「…ありがとう。
気持ちは嬉しいけど、付き合うことはできない。
ごめんね。」
直「俺は周りとはちげぇから。
本気で平井さんが好きなんだよ。
モデルだからとか、見た目がいいからとか、そんな理由じゃなくて…。
言葉にできねぇけどいつも仕事とか頑張ってる平井さんの事を近くで応援したいって思うんだ。
平井さんにとって、傍にいてリラックスできる存在になりたいっていうか…。」
いつもと違った告白だった。
今まではただただ「好きです」としか言われなかったのに、そこまで言ってくれた人はいなかった。
「…私はまだ恋愛として見れてないけど、それでもいいの?」
直「もちろん。」
「それじゃぁ…よろしくお願いします。」
これが直久と付き合いだしたきっかけだ。


