あの子たちがいなくなってから2週間が経過した。
時間は過ぎていくのが早いな……と、授業中にも関わらずぼーっと考えていた。


あの出来事から見事に私に対する嫌がらせの数々が嘘のようになくなった。
今までのは何だったのだろうってくらいに落ち着いた毎日だ。

あと、琉衣さんが私に対して今まで以上に甘々になったような気がする。
一緒にいるときは常に隣にいて、私の腰や肩に腕を回した状態だ。
そして必ず「大好き」や「愛してる」と言ってくれている。



私が不安にならないようにしてくれてるところを見ると、すごい安心する。
だって私の事をそれだけ大事に思ってるって事でしょ?
それって最高だよね。




今日も家帰って、琉衣さんとくっついて、平和に一日が終わるな……そう思っていた。





授業が終わり、いつも通り門まで迎えに来てくれているであろう琉衣さん達の所へ行った。
するとそこには、琉衣さんや飛田さんのほかに、もう一人予想もしていなかった人がいた。



?「あ、香苗‼
やっと会えてよかったぁ‼」


「……萌乃、どうしてここに?」


萌「どうしてって……香苗が家からいなくなって心配で…。
萌乃の唯一の妹なんだもん…。」



少し涙目で言ってくる萌乃。
一応私の双子の姉…琉衣さん達と一緒にいてて正直姉の存在を忘れていた。

パッと見は妹を心配している優しい姉、というようになっているだろう。
しかし、私にはそう見えない。
萌乃のような奴が、まさに天使の面をかぶった悪魔だ。



萌「それにしても…香苗すっごぉい‼
あの岩本組組長さんとお付き合いしてるんだって?」


「…私が付き合ってるのは組長じゃなくて、岩本琉衣さんって人だから、すごいとかはよくわからないな。」


萌「ふーん。
組長さんはいつも香苗のこと迎えに来てるんですよね?」



私と話していたはずなのに、萌乃は琉衣いきなり琉衣さんに話をふった。
その目は私を見る時とは全く違うもの…。


”男”を落とそうとするときの目だった。