溺れるくらいの愛情を。




プライバシーも何もない状態。
だけど、その分私の事を大事に思ってくれているみたいで嬉しい。



「……ありがと。
そんなにも心配してくれて。」


弥「こんなことされて、感謝するだなんて変わってますね。
普通ここまで知らないうちにされたら逃げるでしょうに…。」


「どうして逃げるんですか?」


弥「過剰なまでの束縛はしんどいだけです。
組長もそこまでしなくても放し飼いでいいと思いますよ。」



放し飼いって…私は犬や猫か。
ちょっとイラッときたが、言い返しはしなかった。



琉「香苗を放し飼いに出来るほど生半可な気持ちじゃねぇんだよ。
それこそ部屋から出したくねぇくらいだ。
誰の目にも映らず俺だけを移し、俺だけの 声を聞く…そんな生活がゴール地点だな。」


弥「ならゴールにはたどり着けないですね。
そこまでいくと犯罪ですから。」




…いえ、盗聴も立派な犯罪ですから。


まぁでも部屋に閉じ込められるのはちょっと嫌かもしれない。
琉衣さんとたくさんお出かけとかしたいし…うん、それだけは避けてもらわないと。



琉生さんと飛田さんのテンポの良い会話を聞きながら家に帰った。