溺れるくらいの愛情を。





そんな事を考えていると、余計周りの声が気になりだした。

釣り合わない、とは言われ慣れているから何とも思わないけれど……"好きな人の身代わり"という言葉にはひどく傷ついた。




琉生さんとなら……って思ってたのに、それは間違いだったんだ。
私なんかじゃダメなんだ。


琉衣さんには好きな人がいるんだから……。




暗い気持ちのままその日の授業は全部終わった。
そしていつも通り、迎えの車が来た。

いつもより重い足取り…。
やっとの思いでたどり着き、車に乗った。



「た、ただいま‼
今日もお迎えありがとうございます。」



違和感を感じたのか、飛田さんが言ってきた。



弥「…どうかしましたか?
朝とは様子がとても違いますが。」


「いえ、何もないですよ。
心配してくださってありがとうございます。」



迷惑をかけちゃ駄目だ。
ここまで良くしてもらってるのに……。

すると今まで隣にいて黙っていた琉衣さんが口を開いた。



琉「心配なら本気で監禁してやるぞ。」


「……え?」


琉「お前が俺の気持ちを本気で疑ってるんなら、縛り付けてでも思い知らせてやる。
周りが適当な事言っても信じるな。
お前は…香苗は俺の言う事だけ信じていればいい。」


「な、なんで周りに言われたこと知ってるの⁉」



何もかも知っているかのような口ぶりに驚きを隠せない。
っていうか、本当になんで知ってるんだろう…。