溺れるくらいの愛情を。






「あなた達が経験していることが全てだと思わないでください。
私のような体験をしている人がほかにいるかもしれないし、もっと残酷な仕打ちを受けてきている人もいるかもしれません。

………自分の考えを押し付けすぎるのはどうかと思います。
あと、こういう事されるのは迷惑なので控えていただきたいです。」



言いたいことだけ言って学校の中へ入った。
私は間違ったことは言っていない。
言い負かされているようじゃこの先やっていけないのだから。


周りがひそひそと私を見ながら言っているが、そんなもの無視だ。
気にしていたらきりがない。



教室に入ると視線が一気に私の方へ向いた。
そしてそこにはあの2人もいた。
私と琉衣さんが出会うきっかけを作ってくれた2人。



月「あ、来たよぉー。
猫かぶりの性格悪い女がさぁ。」

直「まじキモイよなー。
俺らの事騙して楽しんでたんですかー?」



二人の私への悪口に周りの生徒たちはクスクス笑っている。
でもそんなことでめそめそするような私じゃない。



月「あれー?
図星ですかぁー?」


「何か言ってほしいの?」


月「何か言えるんなら言ったら?
どうせ本当の事なんだし、言い返せないと思うけどねー。」



…何を勘違いしているのだろう、この人は。
言ってもいいんなら遠慮なく言っちゃうよ?

皆の前で笑いものにされ、馬鹿にされ…黙って入れるほど大人じゃない。