話をしていると、筒治さんから筒治君という言い方に変わり、敬語もなくなっていった。



「もうすぐ完成!
筒治君の方はどう?」


筒「こっちももう完成する!
…よし、できた!

姐さん、俺先輩達起こしてくるから組長の事起こしてきてもらってもいい?」


「もちろん!
これ並べたら起こしに行くね。」


筒「並べるの任せても大丈夫?」


「だーいじょうぶ!
組員さん達の人数多いし、これ並べてるともっと時間かかるでしょ?」


筒「姐さんありがと!」



筒治君はみんなを起こしに、そして私はご飯を並べてから琉衣さんを起こしに行った。

今の時刻は7時前。
でも全員が集まると大体7時20分くらいになるらしい。



私は軽く琉衣さんの体を揺すり、声をかける。


「琉衣さーん。
もう朝ですよ。」


琉「………あぁ。」



意外と寝起きがいい琉衣さん。
目を擦ってる姿がとても可愛く見える。
そして5分くらいぼーっとしている。



「今日から私もご飯作ってるからね。
学校の日は昼ご飯作れないけど…。」


琉「無理しなくていい。
よし、飯行くぞ。」



小さくあくびをしながら私の手を握ってくる。
そんな琉衣さんをみて、気持ちがぽかぽかした。



広間に着くと、既に組員さん達が集まっていた。
挨拶が飛び交う中、琉衣さんは片手を軽く上げて対応していた。




飛「では、揃ったことですし食事にします。
いただきます。」


飛田さんの掛け声を合図に全員が食べ始めた。
美味しい、といいながらみんな食べてくれていて嬉しいな。



琉「香苗、お前作ったのどれだ?」


「えっとね、お味噌汁とお浸しと卵焼きだよ!
焼き魚とご飯炊いたのは筒治君!」


琉「筒治″くん″?」


なぜか琉衣さんの雰囲気が変わった。
ピリッとした、気まずい感じ…。


「そ、そうだよ。
焼き魚って常に見とかないと、ずっと使ってたら魚すぐ焦げるくらい熱くなるでしょ?
それに網とかで火傷したら危ないからって、筒治君がしてくれたの。」


琉「…そうか。」


「筒治君、私より年下なんだね。
弟ができた気分だよ!」


私がそう言うと、ピリッとした雰囲気が急に柔らかくなった。



琉「弟ができてよかったな。」


「うん!」


よくわからないけど、まぁ機嫌治ったんならなんでもいいや、と思いご飯を食べた。