目を覚ますと、目の前には琉衣さんの顔があった。
寝ぼけていたため一瞬何が起こっているのかわからなかったが、昨日のことを全て思い出した。


ふと時計に目をやると、5時30分過ぎくらいだった。
たくさんの量のご飯を作るには丁度いい時間かな…と思い、ベッドから抜け出そうとした。
琉衣さんはぐっすり寝ており背中にまわっていた腕の力も弱く、すぐに抜け出すことが出来た。


1度背伸びをしてからキッチンへ向かった。



すると既に1人の組員さんがいた。


「おはようございます。
今日から食事を作らせていただきます。」


?「おはようございます!
自分も毎日食事当番をさせてもらってる身なので、よろしくっす!」


「食事当番って順番じゃないんですか?」


筒「あー…俺、まだ子供だし、入りたてだから仕事も満足にできてないんすよね。
だから食事は毎日作らせてもらってて、稽古もつけてもらってるんです。

あ、俺は町北筒治(まちきたつつじ)といいます。
筒治って呼んでください。」


「私は平井香苗です。
私のことも香苗って呼んでください。」


筒「いやいやいやいや、それは無理っす!!
組長にボコ殴りにされます!!
姐さんって呼ばせていただきます。」


「わかりました。
それじゃぁご飯作りましょうか。」



筒治さんと分担しながら食事を作っていく。
量も多く簡単には出来ないが、筒治さんとお喋りしながら楽しく作業ができた。


「筒治さんって何歳なんですか?」


筒「俺、今年で16になります。」


「………え?
じ、じゅうろく…?」


筒「はい!」


「え…嘘。
私より身長高いし、料理も上手だし、大人っぽいのに…」


筒「16には見えねぇってよく言われます。
姐さんは何歳なんすか?」


「私は18歳です。
誕生日は過ぎてるんですよね。」


筒「もう誕生日終わったんですか?」


「4月1日が誕生日なんです。」


筒「へー、でしたらもう車の免許取れるじゃないっすか!
誕生日早いとラッキーなことって結構ありますよねー
俺なんて3月ですよ!?
車もお酒も周りよりはるかに遅いんですよ!?」


「ふふ、そうですね。」



話をしていると筒治さんが年下だということが納得できる。
なんかすごい可愛い。