溺れるくらいの愛情を。





月「っていうか、今月の雑誌見たよ。
すっごい可愛かったし‼」


「ありがと‼
あれこれ今年で4年目になるけど、まだ慣れないんだよね。」




中学2年の頃にスカウトされたのがきっかけでやり始めた雑誌モデル。その雑誌は「CARINO(カリーノ)」という女子中高生に人気なギャル系雑誌なため、見た目は一般的な学生に比べたら派手だ。
金髪にくるくるパーマ、化粧はパンダにならないように気をつけてはいるが薄くはない。金髪、そして目は青っぽい私。要するにハーフというやつだ。




始まりは些細なことからだった。
パーマをかけてから町に遊びに行ったある日、化粧もばっちりしている状態だった。そんな私にカメラマンが声をかけてきて、”街中のギャル系女子中高生”というテーマのために撮らせてほしい、という事だった。


拒否する理由もなかったためOKし、後日雑誌に載ってる私を見て読者の中高生は騒ぎ出した。「この子可愛い」「こんな風になりたい」などの声が上がり正式にスカウトされ、まぁ給料もくれるみたいだったから引き受けた、という事だ。






月「服装に合わせて表情ころころ変えてるし、本当にすごいよ‼
ベテランの雰囲気半端ない‼」


「どこからベテランの雰囲気感じんのよー。
まぁ毎月買ってくれてありがとね。」


月「私こうやって知り合う前からずっとファンだったからさ、友達なったとか本当に今でも夢みたいだわ」


「大げさっしょ‼
とか言うけど私も月華みたいな子と友達になれて夢みたいだよ」



思ってもないことを言う私。別にそこまで何とも思ってないのにすらすらと言葉が出てくる。





月「いやーん‼
月華超嬉しいっ‼‼」


「それはちょっときもいかな」


月「ひっど‼」




こんな馬鹿げたやり取りをするのが日常だ。