溺れるくらいの愛情を。





あちこちでいろんな人が喋りながらご飯を食べている。
誰かとこうやって家でご飯を食べるのが初めてな私にとっては、すごい楽しくて暖かい時間。

周りを見ていると横から琉衣さんが話しかけてきた。



琉「…飯、食ってねぇけどどうかしたのか?」


「えっとね、こうやってご飯食べるの初めてだから、なんか嬉しくて…」


琉「これから毎日こんなんだぞ。
そのうちうるせぇってなるかもな。」


「ふふっ。そうかもしれないね。」


琉「まぁとりあえず食え。
冷めちまうぞ。」


「うん。いただきます。」



和食で食材のバランスが良い、おいしそうな食事。
こんな豪華な手作り…食べるのがもったいなく感じたけど、口に運んだ。



「すごい美味しい‼」


琉「そうか。
今日の食事担当が喜ぶぞ。」


「食事担当……?」


琉「あぁ、組員が順番に飯作ってんだ。」


「…私も作りたい。
ここでお世話になるし…私が組員さんの代わりにご飯作るよ?
仕事と両立は大変だと思うし…。

私、モデル辞めるから時間あるしさ。」



琉生さんは少し考え込み、何を言っているのかは分からないが、ぶつぶつと何かを言っている。

…私変なこと言ったのかな?
そんなことを考えていると琉衣さんが私の方を向いた。