学校が終わり、校門まで行くと琉衣さんの家の車が目に入った。
駆け足で近寄ると琉衣さんが車から出てきてくれた。



琉「おかえり。」


「ただいま。
迎えに来てくれてありがとう。」


琉「…帰るぞ、乗れ。」



朝と同じように後部座席で並んで座る。
そして琉衣さんは私の肩を抱いてきた。

運転席を見ると飛田さんがいたので声をかけた。



「飛田さん、ありがとうございます。」


弥「…あなたのためではありませんので。」



すぱっと言われ、言葉が出なくなった。
そのまま気まずい雰囲気で琉衣さんの家…これからは私の家でもあるのかな…まぁとりあえず帰った。
玄関にはたくさんの強面さん達が並んでおり、車から降りるのが少し怖く感じた。




琉「…怖いか?」


「少しだけ…。」


弥「この程度でその様な状態なら、この先生活していけませんね。
早いところ新しい稼ぎ口を探した方がいいのでは?」



車から降りることに躊躇していると、感情のこもっていない冷たい事を言われた。
…そう言われてしまうのは仕方のない事なのかもしれない。
見知らぬ女がいきなり住むというのだから……。