新学期を迎え、新たな一年に楽しみを持っている人も少なくはない。
しかし対して何も変わらない一年がまた始まったと、どうでもよく感じている人も少なくはないだろう。


私、平井香苗(ひらいかなえ)は後者側の人間だ。対して何も変わらない、強いて言うならばただ年が増えただけ。楽しみなんてものは一つもない。
そんな私は今年で高校三年生となる。それなりに充実した生活を送っていると思う。

ちなみに私が通っている学校は隆星高校という偏差値は中の下で、世間でいう外れ者達が勢ぞろいの学校だ。もちろんそうじゃない子もいるけどね。





「みんなおっはよー‼」



‐おはよー‼また同じクラスだね‼‐

‐平井さんとおんなじクラスになれて嬉しい‼‐




クラス中の人が私に声をかけてくる。まぁ初めに声をかけたのは私なんだけどね。私はこの学校では人気者の部類にいる。女子にも男子にも評判は良い方だ。





?「おはよー‼
私らまた同じクラスだよ。
すっごい嬉しい‼」


「おはよー‼
私もそれ知って、朝からテンションあがっちゃった‼
月華とまた同じクラスとか最高‼」




彼女の名前は篠森月華(しのもりつきか)。一応友人という部類にいる。見た目は金髪ストレートで化粧は濃いめ。世間でいうギャルだ。
まぁ実は私も人のこと言えない見た目なんだけどね。