溺れるくらいの愛情を。






弥「初めまして。
組長の側近をしています、飛田弥琴(とだみこと)と申します。」


「あ、私は平井香苗といいます。
よろしくお願いします。」


弥「よろしく…ですか。
私はするつもりありませんので。」



そう言って私を見てくる目がとても冷たいものだった。
何とも言えない冷めた表情に目…。

私嫌われるようなことした…?



琉「弥琴、その目やめろ。
見ていて不愉快だ。」


弥「それはそれは、申し訳ありません。」


琉「香苗は違う。
この俺が唯一求めている女だ。
たとえお前でも容赦しねぇ。」


弥「……覚えておきます。
それでは、車の準備は出来ていますので。
私は外でお待ちしております。」




彼はそう言って先に外へ出た。

……本当に私何か気に障るようなことをしてしまったのだろうか。
どうしよう…。



焦っていると頭をぽんと撫でられた。




琉「気にすることねぇ。
あいつは俺以外にはあぁなんだ。
俺以外の奴は信じてねぇ。

……もちろん組員も、だ。
まぁ仲良くしてやってくれ。」




仕事仲間ですら信じない……。
そんな人と私が仲良くなんて出来るのだろうか。





それから弥琴さんの運転により、私の家に向かった。