溺れるくらいの愛情を。






「…でもあの家には一度戻らせて?
荷物とかあるし…。」



琉「物は全部こっちで揃えてやるから必要ねぇだろ。」


「気に入ってる服とかあるし、いいでしょ?


……一緒に着いてきてくれると嬉しいな。」




甘えるようにして上目づかいで攻撃する。
雑誌の撮影の時にこの表情すると読者もすごい喜んでくれていた。
ここで使えるとは思わなかったけど、一度帰って親に出ていくことを伝えて縁を切りたい…その為には使えるものは使う。




琉「はぁ……香苗、お前もうその作った顔はやめろ。
ここはモデルの撮影所じゃねぇよ。


わかった、俺が着いていく。




………ちゃんと親に話してこいよ。」



「……うん。ありがと。」




私がどうしてそこまで家に一度戻りたいか、その理由をわかってくれているみたい。

あんなのでも一応私の両親だ。
家から出ていく前に言っておきたいこともある。