溺れるくらいの愛情を。





彼、岩本琉衣は父親を抗争で亡くし三年ほど前に組長として仕切るようになった。
借金取りであったり、組同士の抗争だったりで決していい職業ではない。


しかし、そんな彼は女にモテている。
理由は簡単だ。
    



容姿が抜群にいいこと、そしてお金をたくさん持っているという事だ。
危ない仕事でも将来の生活に困らない収入があり、容姿もよくて隣にいて自慢できる。
危ない世界ではあるが、総合的にはプラスだとみんな考えているみたいだ。







……しかし当の本人はそんな周りの目に興味を示さなかった。
むしろそんな人たちを嫌うような素振りをしていた。




ひたすら声をかけてくる人や、周りできゃーきゃー騒いでる人達を無視している。



その様子を見て女嫌いだと言われている。



彼の喧嘩の強さは周りからとても恐れられているほど。
殴り始めると相手が動かなくなるまで殴り続け、相手が許しをこうても聞く耳を持たない。
そして相手が女でもやることは一緒だ。



岩本琉依は男にも女にも容赦がない…冷酷な人間だ、情なんてものは持ち合わせていない、そんな風に言われるようになった。

岩本組は極道の中でもトップを陣取っている組だ。大きな組の噂であるため、一般人の私の耳にも入ってくる。




でも、今までの私に対する行動を見れば冷酷だなんてありえない。