溺れるくらいの愛情を。






そんな私の変化に気付いたのか、琉衣さんがそっと体を離して私の顔を見てきた。
そして見つめながら頭を撫でてきた。



琉「余計なことを考えるな。
香苗のことは勝手に調べさせてもらったから大体知ってる。

別にお前の親が誰であろうがどうでもいい。
お前が俺の元へ来た、それだけで十分だ。








むしろその境遇に俺は感謝してるくらいだ。」


「感謝……?」


琉「あぁ。
そのせいでお前は誰からも愛されなかった。
それとその容姿にしか興味を示さなかった。
という事はだな、俺がお前にとって特別な存在という事になる。












俺だけがお前の特別な存在…そう考えただけでぞくぞくするな。」




そう言って狂気的な目を向けてくる琉衣さん。
その言葉に涙が出そうになったがなんとか堪えた。

こんなにも他者を愛せる彼が、どうして冷酷だと言われているのだろうか。
女に冷たいとよく耳にするが、噂なんて信用ならないな…。