目が覚めると視界には見たことがない天井が入ってきた。
布団に寝かされており、状況が頭の中で理解できていない。

とりあえず上体を起こし、ボーとしていると部屋に一人の男の人が入ってきた。
その男の人を見た瞬間にすべての出来事を思い出した。



琉「起きたのか。
具合はどうだ?」


「あ…大丈夫だよ。」


琉「ならよかった。」



そう言って琉衣さんは、ほほ笑みながら私の近くに座った。
そして私の頭を撫でてきた。
こんなことされることが今までなかった為、どうすればいいのかわからず俯く。



琉「こういうの慣れてねぇのか?」


「えっと……親に嫌われてるし、そこまで距離近づいたことないから…。」


琉「んじゃ俺が初めてってことだよな?
まぁ俺もこんなんしたことねぇけど。」



嬉しそうな声色で話す琉衣さん。
そんな彼を見て私も嬉しくなってきた。



「うん。琉衣さんが初めて。
抱きしめられたことも、頭撫でられたことも全部初めてだよ。」


琉「これからもお前の初めては全部俺の物だ。
んで俺の全てはお前の物。


………手放すつもりは全くないからな。」


「ふふっ…。
もしどっちかが先に死んだら手放すことになるんじゃない?」




そう言うと鼻で笑ってから狂気的な目を向けてきた。