二人の足が止まった。
私はそんな二人の目の前へ行った。




「こんなとこで会うなんて偶然だね。」


直「あ、あぁ…そうだな。
あのさ、これには訳があって……」



なんとか言い訳をしようとしている直久の言葉に被さる様に月華が口を開いた。




月「あーぁ、ばれちゃった。
モデルで大人気の香苗の彼氏奪っちゃってごめんねー?
悪気はなかったんだけどさー、かっこいいし私がもらっちゃった。」




わざと周りの人に聞こえるように話す月華。
魂胆が見え見えだ。
私のイメージダウンに繋げようとしているかもしれないけど、そんなもの痛くもなんともない。




「ううん、私は大丈夫。
でも……正直すごいショックだな…。

月華のこと、親友だと思ってたのは私だけだったんだね。
それに直久も…ごめんね、今まで無理やり付き合わせてて。

二人とも、付き合いだしたんなら言ってよね。
そしたら私…ちゃんと別れたのに。


あ、違うか。
スリル感が味わいたかったんだっけ?
……私は利用されただけってことだったんだね。」



ショックを受けたような顔をして無理に笑顔を作った私を見て、周りは二人に対して様々なことを言いだした。