薄暗くなり、街中のライトがついている。
若い子たちに声をかけられ、それに対して笑顔で手を振っている私。
何が楽しくてニコニコ笑ってるんだろう。自分がよくわからない。




行く当てもなくぶらぶらしていると目の前からカップルが歩いてきた。
街ではよくあるデート風景。しかし私が見たものは想定の範囲外だった。

仲良く腕を組みながら歩いてくるカップル…二人は私には気づいていない様子だ。




私は足を止めて二人を見た。




?「こんな近くで密会?的なことするなんてスリルやばいね。」


?「このスリル感がいいんだろ?
俺もお前もそれを楽しんでんだから。」


?「まぁね。それに優越感もあるし。
それに………






…………直久だって私の方が好きでしょ?」


直「香苗より月華の方が好きに決まってんだろ?
セックス気軽に出来るし。」


月「へんたーい。」




……直久と月華の会話が耳に入ってくる。
こんな二人の会話を聞いても、正直何とも思わない私はどうかしているのかもしれない。




そして二人が私の存在に気付いた。