俺様生徒会長に鳴かされて。




しれっとしている彪斗くんは、さらに衝撃的なことを言った。





「じゃこっちもビックリ発言。

俺、近い内、アーティスト始めるわ」





わたしは目を丸くした。



「アーティスト活動?

どうして急に?」



今だって作曲活動で十分忙しいのに、これに自分の活動を加えたら、もっと…。



「ただでさえ最近は俳優とかモデルのお仕事も断らずに入れてるのに。

…これじゃ、わたしたち、会えなくなっちゃうよ…?」


「逆だ、ばーか」



彪斗くんは、泣きそうになりながら訴えるわたしを小突いた。



「…?」


「今まで俺は裏方に居すぎた。

いい加減、潮時だ。

おまえがどんどん先へ飛んでいっちまうから、俺もそろそろ表に出て行かなきゃならねえって思ったんだよ。

…だって、一緒にいたいんだろ、俺とずっと」



彪斗くん…。



「なにせおまえは世間知らずだからな。

芸能界なんて世界で放っておいたらどうなるか、考えただけでビビるっての。

…まぁ、作曲家とアーティストだって関係近いし、男女だったら結婚してる例もあるけどさ…

でもおまえの場合は―――って、なに照れてんだよ…」



「だって…」



結婚って…



「ば…!

べ、別にそう言う意味じゃ…!」



と言いかけた彪斗くんだけど、



ふっ、と



観念したように笑みを漏らした。



「ま、そう言う意味に近い気持ちがあるのは、確かだけどな」





彪斗くん。



だいじょうぶだよ。



どこへ羽ばたこうとも、

わたしは必ずあなたの元に戻ってくる。





だってわたしは、



あなたに囚われ、



あなたに育まれ、



あなたに愛された、



世界一しあわせな小鳥だもの。





彪斗くんは、わたしの頬をそっとやさしく包んでくれた。



「気をつけて行って来いよ。アメリカ」



わたしは大きくうなづいて、その手を両手で握った。



ぎゅっと強く、



離れないように。





そうして初めて。



自分からキスをした。





ついばむような頼りないキスにちょっとおどろいた彪斗くんだけど、

抱き締めてくれて、

今度はやさしいやさしいキスを返してくれる。




とろけるような幸福に包まれながら、



わたしは心の中で、誓いの言葉を声高にさえずる。





彪斗くん。





わたしは小鳥だよ…。





あなただけの、

たったひとりの

小鳥だよ。










Fin