俺様生徒会長に鳴かされて。

国中の娘の脚にガラスの靴を合わせ回った王子様たちが最後にやって来たのは、シンデレラの家。



靴が合わないとコミカルに暴れる姉。



継母とのピリリとしたやりとり。



そんな三人の迫真の演技を経て、いよいよわたしが再登場する。



彪斗くんと仲直りしたあとのステージでの再会。



ちょっと緊張しているのがバレたのか、彪斗くんはちょっと意地悪げに口端をあげている…。

もう、すっかりいつもの意地悪さんだ。



わたしは少し胸を張りながら、ステージに出て行った。





みすぼらしい姿で現れるシンデレラ。



ぼろを着て煤に汚れた娘は、とてもあの夜の高貴な美少女には見えなかった。



それでも王子様は、下働きで汚れた脚に、ガラスの靴を履かせ…。



ぴったりと合うのを確認するやいなや、

シンデレラを引き寄せ、煤で汚れたその顔を、素手でぬぐう。



現れたあの夜の愛おしい娘の顔を両手で包んで、王子様は万感の想いをこめた吐息をもらす…。



『…やっと、見つけた』




『おどろかれましたか…。

偽って、ごめんなさい…』



けどシンデレラは苦々しく続ける。



『わたしの名前はシンデレラ。灰かぶりのシンデレラ…』



そうして語られ始める真実…。





さぁいよいよ、だ…。





ここから音楽が流れて、歌い始めることになっている―――





のだけれど。





わたしと彪斗くんは、思わず互いを一瞥し合った。





曲が、



流れてこない―――。