俺様生徒会長に鳴かされて。

でもわたし、信じてたよ…。

彪斗くんは、必ず来てくれるって、信じてた。



彪斗くん、観てくれた…?

わたしね、こんな大勢の、しかもすごい人たちがたくさんいる前で、

おっきな失敗もしないで、シンデレラを演じてこれたんだよ。



彪斗くんの、おかげで…。





無表情を作っている彪斗くんを見上げ、わたしは微笑みを浮かべた。



微かに、その形のいい眉が動くのを見て、



さらにわたしは、彪斗くんだけに聞こえるように、小さな声でそっと言った。





「よろしくおねがいします」





1 2 3…



ステップを踏み始める。



1 2 3…



一見優美に見えるワルツだけど、意外にステップは早く、勢いが必要。



『その方がドレスが花のように広がって、美しく見えるからだよ』



そう教えてくれた雪矢さんと、この一週間、猛特訓を重ねた。



雪矢さんだけじゃなくて、基本的なリズムや姿勢の取り方も、寧音ちゃんからみっちり仕込んでもらった。



だから、彪斗くんの早いリードにだって、ほら、十分についていけてるし、

苦手なターンだって、よろめかない。



離れてターンして、その回転の勢いのまま引き寄せられても、つんのめらない。



ね、わたし上達したでしょ、彪斗くん。



って、

驚いた表情を浮かべてばかりいる彪斗くんに微笑むと、

彪斗くんもつられたように、口端を上げた。



やった…

やっと笑ってくれたね…彪斗くん…!