また棒のように足が固まってしまったわたしの前に来ると、彪斗くんは跪いて、顔を伏せたまま言った。
『麗しい姫君。
俺と、踊っていただけますか』
はい…とうなづいて、わたしは差し出された彪斗くん手を、そっと取った…。
一週間ぶりに感じる、楽器にふれて硬くなった、彪斗くんの指先。
それでも…
ふれた瞬間、たった数日の空白だったのに、懐かしさが溢れかえってきて、胸がいっぱいになる。
彪斗くん…。
会えて…うれしいよ…。
音楽が流れてきて、
わたしは腰を大きく沈めて、ふかぶかと頭を垂れた。
ゆっくりと腰を上げ、背筋を正し、
手を握り合い、わたしは彪斗くんの肩へ手をのせ、彪斗くんはわたしの腰を引き寄せる…。
その手つきは、
表情とは真逆に、すごくていねいで、やさしかった。
まるで、壊れものでも扱うかのように…。
胸の苦しみは、その想いを感じた途端、キリキリと切ない痛みに変わった。
ごめんなさい、彪斗くん…。
怒らせて―――傷つけてしまって、ごめんなさい。
不安、だったんだよね…。
彪斗くんも、怖かったんだよね…。



