俺様生徒会長に鳴かされて。

第一幕は、継母と姉とシンデレラのやりとり。



継母役は、なんと洸くん。

そして、姉役は寧音ちゃんだ。



中年女性役にもかかわらず、さすが実力派で名高い洸くんの演技は見事だ。

寧音ちゃんの姉役も、イヂワルなのに、なんだかかわいくて嫌みがない。



しかも、いつもの素のやり取りをそのまま持ってきたような親子の掛け合いは、コメディみたいに絶妙で、早くも観客席を笑いに包んでしまっている

イビリのシーンすら、面白おかしく見せてしまうんだから、さすがだ。



わたしも、ふたりに負けないように、アドリブにもついていく。



一週間の間に洸くんに猛特訓してもらった甲斐あってか、わたしの演技も、ふたりには及ばなくても、棒読み状態からは脱していた。



観客のつかみも上々。



舞踏会へ行けず置いてきぼりにされる第二幕の最後まで、なんとか無難に進むことができた。





そうして、第三幕、魔女の登場。



ここで、会場を驚かすサプライズがあった。



なんと、役が公表されていなかった雪矢さんが、魔女役で出てきたのだ。



もちろん、『思い出づくりしよーよ!』という寧音ちゃんのゴリ押しにつぐゴリ押しに負けて扮したお遊びの役だけど。



ゴシック風のシンプルなワンピースに、いつもの亜麻色の髪をそのまま長くしたようなウィッグをかぶった、ちょっと魔女っぽさから離れたその妖艶な姿は、

観客席をすっかり見とれさせて、

女の子たちにきゃーきゃー言わせている。



雪矢さんもやけくそになっているのか、



『可哀相なコ、私が助けてあげる』



なんて色っぽすぎる声でささやいて、

脚本にはないのに、シンデレラの腰を抱いてきたりして…



ざ、斬新すぎです、雪矢さん…っ!



なんて、ワタワタしてしまうのを、どうにか客席に見えないようにしていたら、



くすり、



って雪矢さんは楽しそうに笑う。



もう…!雪矢さんってば…!



この楽しいおふざけには、観客席もおおいにわいた。





大盛況を保ったまま、ステージは魔女が魔法をかける寸前で暗転し、第三幕が終了。